2013年9月20日

2ステージ制賛成の理由とサポーターを辞めなきゃいけない日を覚悟した話

みんな長文で2ステージ制についてコメントしてるから、乗っかってみようと思う。できるだけ、徒然なるままに書きたい。論文調ではなく気持ちの流れを汲めるように。たとえミスリードされても。

僕の意見は2ステージ制が良いかどうかは情報不足で判断が出来ないが、現状の観戦者数伸び悩みを考えると、Jリーグが体力のあるうちに色々やってみるのが良いと思う、というもの。そういう意味で制度変更は賛成である。

※以下でニワカという言葉を使うが、僕が考えるニワカとは、サッカー観戦初心者や観戦回数が少ない人の事ではなく、ただ騒ぎたいだけ、ウェーイ!って言いたいだけ、日本代表の試合を観に行く事がファッショナブルで、なにか人生のステータスになると思ってるサポーターの事である

いろいろな意見をネットで読んだけども、制度変更に対する僕の理解と、他者の理解が、どうも違うようなので、僕は以下のように理解しているという前提を先に書いておく。

『Jリーグの偉い人達が日本代表の試合を見て、日本代表はこんなに人気があるのにJリーグはなんで人気が無いのだろうと考えた。そこで、日本代表の観戦者をよく観察すると、確かにサッカーが好きで観戦に来ている人も居るが、それ以上にニワカと顔サポが多いと感じた。そこで、ニワカと顔サポをJリーグに呼び込みたいと考えた。「勝ったら毎週お祭りのようにウェーイって出来ますよ、楽しいですよ」「イケメン沢山いますよ、萌えれますよ」ってな具合で情報発信したい。広告したい。だが、金が無い。「あ、そういえば、テレビの人がポストシーズンとかチャンピオンシップなら、金くれるって言ってたなぁ」。よっしゃ、ツーステージ制にして、その金貰って広告宣伝費にしようーっと』

この理解で合っているかは分からないし、ツッコミどころも満載だと思うが、とりあえず、僕はこういうふうに理解している。

そして僕はニワカと顔サポが今後サッカーが発展していく重要な要因だと思ってるから、結論はともかく、この思考過程には賛成だ。

以下に、なぜ僕がニワカと顔サポを大切に考えているか、書いておく。

サッカーがそもそも世界に広がったのは富国強兵の政策のためである。サッカーが、なぜそれほどまでに求心力を持っていたのかは別途考察するとして、団結心を高め敵対心を煽るものであることは、歴史からも分かるし、何よりサッカーが好きで、贔屓にしているチームがある人の多くは理解できると思う。

しかし、このサッカーが持つ求心力は先進国の間で衰えてきている。特にここ15年では、サッカー先進国のイングランド、スペイン、イタリアでは観客減少または高齢化が問題になっているし、イングランドではJリーグのようにファミリーデーを設けたり、女性ファンを獲得しようとしたり、必死でこの高齢化問題に対処しようと試行錯誤している状態である(ドイツは知らん。とか言うと、一番人気なのにって言われるが田舎だからだろjk)。

今の若者はサッカーを観ないのである。例えそれがサッカー先進国であってもだ。

理由は価値観の多様化とグローバル化にあると思う。加えて、ネットゲーム、ダンスクラブ、賭博、旅行、風俗、飲食店など娯楽コンテンツが充実した経済的先進国ではサッカーのみでストレス発散する必要はない。

いずれにしても、先進国の若者にとって、人体の一部をボールにしていた事のある血生臭いサッカーは古く汚く野蛮なスポーツらしい。

このような中で、どのように新しい価値をサッカーに付随していくか。スポーティーで、シャレオツで、クリーンなイメージを、どうやって纏わすのか。これが現代サッカーの課題であり、この問題に取り組まない限り、サッカーには未来がないと思っている。

そこで、日本のアイドル、オタク文化である。僕はこの文化に明るくないが、何か光がありそうで、チャレンジしてみる価値があると思っている。それに、所謂スポーツの明るいイメージだけでなく、現代が抱える精神的ダーティさも兼ね備えていそうで、なんとも魅力的に聞こえる。だから、やってみようじゃないか、という点に賛成したのである。

イングランドでもかつて同様の現象が起きた事があった。ジョージベストである。イングランドだけでなく、イギリス中から女性ファンがスタジアムに殺到した。ピクニック気分で、だ。

ベッカムは惜しかったが、そうなれなかった。先に挙げた社会の成熟が進んでいたからである。

加えて、イギリスでは18歳以上が、そういうアイドル的なものに興じているのは、ちょっとオカシイ、精神的に子供っぽすぎるという風潮があるのも要因だろう。これは日本も少しあるかも知れないが。

よく聞く2ステージ制反対へのコメントも書いておこう。

リーグルールが複雑すぎて、ライト層が本当に掴めると思えない→先に挙げたように、ターゲットはニワカと顔サポである。サッカーの内容、勝ち点計算などは関係ない。顔が良ければいいし、勝って騒げればいい人たちである。また、リーグルールが難しい事が不人気に繋がるというのは安直すぎる。僕にとっては野球やテニス、F1の方が難しいし、日本人は頭が良いから、ルールもすぐ理解できると思う。

試合の質が下がる→ ターゲットはニワカと顔サポでry。それに、ここで言う質というのは良くわからない。総当りで無いと質が低いのであればチャンピオンズリーグの質が低い事になる。W杯の質は低いが、楽しいだろー?

ホームとアウェイの試合数が不公平で優勝の価値が低い→確かに不公平である。しかし、妥協できない不公平さでは無いはずだ。2ステージ制、3ステージ制などを取っている国もいくつもあるから。そもそも、1ステージ制だって、日程、試合順序、天候などの面で不公平である。妥協できる程度の問題で、個人の価値観に帰着するから、反対への理由にならない。また、たまに見るが、1ステージ制の国のサッカーの方がその他の国のサッカーよりも優れているというのは偏見だと思う。 雑に突っぱねると、楽しめない心の狭い人ですね、という言い方になる。

過密日程すぎる→あなたは未来から来た人のようです。現在2013年9月20日の時点で日程は発表されていない。Jリーグも天皇杯、ナビスコカップ、ACLを加味した抜本的な日程調整が必要だと言ってる。反対するなら日程が出てから、日程対して反対すればいいだけの話。それよりも、そう思えないJリーグに対する不信感が問題だろう?それはもう少し掘り下げてみたら?

短期決戦で若手が育たない→Jも認識している。J3、ナビスコで対処すると言ってる。広告宣伝費の一部も育成資金に使うと言ってる。 それよりも、Jリーグに対する不信感が問題だろ?それはry。

反対派の人の意見は、なにか噛み合ってない気がする。三割ぐらいの人は情報公開しろっていう反対意見で、それはそうだと思うが、企業でも政治でもこの構図だから、推して知るべし。

さて、このJ改革、成功して取り残されるのは誰であろうか。僕である。多分君もである。

僕がサッカーを好きになった理由は美しいからである。

文化を射影した美しさ。カテナチオ、シャンパンサッカー、トータルフットボール、東欧のブラジル、ゲルマン魂。アイルランドが放り込みサッカーは、なぜかめっちゃ面白い、熱くなる。

11人がシンクロする美しさ。ユベントスのブロックの動き方が、志村けんの白鳥の湖をパロったやつ、人形を数人左右につないで同じ動きする奴に超似てたじゃん。笑ったじゃん。

Jリーグも、いつかそうなると思ってた。信じてた。夢見てた。でも、Jリーグだけじゃない、世界中のサッカーから、それが消えていってる。みんなサイド志向になったと思ったら、今度は中央、今はゼロトップ。みんな同じサッカーして、ほんとつまんない。

上に書いた事が成功したら、スタジアムは変わる。ブーイングも排除される。ピッチにいる選手は同じ街の仲間でなく、全く違う世界のアイドルである。

僕はピッチに立つ選手がなにか手の届かないところにいる人間じゃなくて、もっと身近な同じ街に住む仲間だと思いたかった。実際がそうじゃないって知ってても、自分達を代表する人達であって欲しかった。だから、キャバクラで鮨を投げあっても、パチンコ屋にジャージで来ても何も思わなかった。選手の大きな負担にいなっているだろうファンサービスなども僕は求めてない。子供が夢を見るために貰うサインなんて僕はいらない。内田篤人は惚れ惚れするほどかっこいいけど、試合が始まったら、そんな事どうでも良かった。

試合が始まれば鹿島の神を描くことだけに集中した。ジーコの柔らかなタッチ、黒崎の力強いシュート、長谷川の終了間明に決めるヘディング、秋田の怖がらない姿勢、柳沢の弧を描く曲線、隆行のポストプレー、本山の長いドリブル、小笠原の倒れないキープ力。美しいと思った。それが見れない時にはブーイングがあった。ナイアガラカウンターには歓喜があった。同じ美しさを知る俺達の代表だった。

もし試合がアイドルショーになるなら、近い将来、僕はサポーターやめなきゃいけないかもしれない。2ステージ制が決まった時そう思った。

ここに書いたすべてが杞憂に終わりますように。

全部読んでくれてありがとう。実はこの問題に対するヒントは掴んでるんだが、まだ、結果が見えない。

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